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【新着】白内障手術症例⑬(クラレオン パンオプティクス・選定療養)

今回は久しぶりにクラレオン パンオプティクスの症例についてご報告いたします。

【症例】50歳代・女性

数年前よりの視力低下が気になり近医を受診されました。白内障の診断でしたが受診したクリニックでは手術を行っておらず、多焦点眼内レンズを希望されたため当院をご紹介いただき来院されました。

【初診時の視力】

・右(5m):0.1(0.7×S-2.75D:C-1.25DAX30°) 
・左(5m):0.1(0.6×S-3.25D:C-1.00DAX125°)

・右(30cm):0.5(0.6×S±0.00D:C-1.25DAX30°)
・左(30cm):0.5(0.6×S-0.50D:C-1.00DAX125°)

元々近視のため裸眼で遠方(5m)はほぼ見えていません。近方(30㎝)も両眼0.5まで視力が低下しています。
白内障は、皮質白内障が中等度以上あり眩しさも感じていたため手術を希望されました。


ーーーー患者さまのご希望ーーーー

  • 手術後は裸眼で全ての距離を見たいので、多焦点眼内レンズ(3焦点レンズ)を希望
  • 遠くも見たいが、近方もしっかり見たい

 

ーーーーレンズの決定・手術についてーーーー

患者様の希望は、裸眼で近くも遠くも見たい、近くもしっかりみたいとのことで、下記の4つから最適なレンズに絞っていきました。

・ クラレオンパンオプティクス(3焦点レンズ)
・ テクニスオデッセイ(連続焦点型)
・ HOYAジェメトリック(3焦点レンズ)
・ ファインビジョンHP(3焦点レンズ)

今回は乱視矯正が必要ですのでファインビジョンHPは適応せず、ジェメトリックは夜間の遠方重視なレンズのため(近方は弱いため)除外しました。
残るはクラレオンパンオプティクスとテクニスオデッセイとなりますが、今回はグレア・ハローが弱く、少ない乱視も矯正できるクラレオンパンオプティクスをおすすめしたところ、患者様もご納得いただきました。


ーーーー術後についてーーーー

【手術後10日の視力】

・右(5m):
1.2×IOL
・左(5m):1.2×IOL

・右(70cm):1.0×IOL 
・左(70cm):1.0×IOL

・右(30cm):0.8×IOL
・左(30cm):0.8×IOL

どの距離も良好な視力が出ました。クラレオンパンオプティクスは近方は40cmに焦点が合う設計なので30cmで0.8と良好な視力が出ております。裸眼でよく見えるようになり、世界が明るくなったと患者様も満足していらっしゃいました。

昨今では多焦点眼内レンズは多くの種類があり、乱視矯正も可能なレンズも取り扱っております。また、レンズについてよく知っている患者様もいらっしゃいますので、気になるレンズやレンズの見え方のご相談などがございましたら遠慮なくご相談ください。

毎月第2金曜日に、当院にて多焦点眼内レンズ・白内障手術のセミナーを開催しております。詳細は、新着情報にも載せておりますのでご参加お待ちしております。

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