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世界緑内障週間(3/13~18)

今日は3月3日のひな祭りですね。今年はすでに温かい日が多く、これから春を感じる日が日ごとに増えそうです。

 

眼科では3月といえば世界緑内障週間です。今年は3月12日(日)~18日(土)となり、この期間は世界各国で緑内障啓発のためのさまざまな催しやイベントが開催されます。

 

緑内障は、だんだんと症状が進んでいく進行性の眼の病気です。
眼圧(目の中の圧力)が高いことにより、視神経が圧迫され、視野(見える範囲)が狭くなります。現在の医学では、狭くなった視野を回復させることは出来ないため、早期発見をして、早期治療を開始し進行を抑制することが大切です。
しかし、緑内障は、初期には自覚症状はほとんどありません。最初は視界の一部がぼやけると感じ始め、中期になり視野が欠けてきた(視野が狭くなってきた)と気づき、症状が進行してくると日常生活にも支障をきたします。この段階では、症状が進行しているといえます。

 

眼科疾患の早期発見のためには、定期検診が有効です。一般的には、目の老化は40代頃から始まるとされており、眼科疾患の発症するリスクが高くなるのも40代からと言われています。
定期的に行う健康診断には、特定健診・地方自治体の検診・人間ドックなどいくつかあります。まずはこれらの公的な検診を受けていただくことが眼科疾患を発見する第一のタイミングだと思います。しかしながらこれらの検診は視力検査が主となっているため、症状がほとんどない初期の眼科疾患を発見するには不十分な場合があります。

 

緑内障の場合、検診の追加項目に「眼圧検査」を追加したとしても、視力検査と眼圧検査だけでは「正常眼圧緑内障」は見逃されてしまうこともあります。緑内障患者の7割以上が、眼圧が正常値を示す「正常眼圧緑内障」といわれています。公的な検診は受けていたが、ずっと眼科に行くことがなく詳しい検査をしなかったために発見されることが出来ず、患者さま自身が視力や視野に異常を感じ進行してから来院され診断されることもあります。

 

検診では見逃してしまう眼科疾患を早期に発見するためには眼科で詳しい検査を行うことが大切です。それにより、緑内障に限らず、加齢性黄斑変性症や自覚症状のない網膜の病気なども発見することが出来ます。

 

当院では、OCT(光干渉断層撮影)というによるGCC(Ganglion Cell Complex)注1の厚さを測定する機器により初期の段階で緑内障を診断できます。
通常、初期の緑内障では視野検査を行っても視野障害は発見されないことが多く、結果的に見逃されがちになります。しかしOCT検査を導入したことで、緑内障が進行し網膜の表面を構成しているGCCの厚みの菲薄化を診断することが出来るようになりました。つまり初期の緑内障では、視野検査よりもOCT検査を用いてGCC厚を測定する方がより有用であるといえます。

一般的にGCC厚の測定は近視が強い方は正確に測定できないこともありますが、当院のOCTには近視眼を補正する機能があるため、近視の方でもより正確な緑内障を診断するための検査ができます。
注1)網膜神経線維層・網膜神経節細胞層・内網状層の3つの層を総称したものをGCCと言います。

進行抑制には点眼薬を用います。緑内障の目薬は種類が多く、眼圧を下げるために、数種類の点眼薬を用いることもあります。緑内障の場合、一度視野障害が起こると回復することはないため、医師の指示に従って点眼治療を継続していくことが大切です。

 

普段は目に異常がない方でも、40歳を過ぎたらぜひ一度眼科を受診してみてください。

 

今年も世界緑内障週間には、日本緑内障学会の主催で日本各地のランドマークや施設が緑内障のシンボルカラーのグリーン(緑色)にライトアップされます。こちらは2022年のライトアップinグリーン運動の様子です↓
実施の様子(2022年)|ライトアップinグリーン運動 (ryokunaisho.jp)

当院のクリニックカラーもシンボルカラーと同じグリーンです!これからも緑内障は早期発見することが大切との思いで、日々、緑内障啓発に取り組んでいきます!

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